Outline 概要

開催期間 2025年6月17日(火)~8月7日(木)(約7週間)
会場 東北大学材料科学高等研究所 (AIMR)知の館
参加人数 アメリカの大学の学生 8名、アフリカの大学の学生 2名、日本の大学の学生 6名
パートナー企業 富士通株式会社株式会社IHI三菱電機株式会社先端技術総合研究所三菱電機株式会社情報技術総合研究所
主催 数理科学共創社会センター (MathCCS)知の創出センター (TFC)材料科学高等研究所 (AIMR)
共催 Institute for Pure & Applied Mathematics, UCLA, 理化学研究所・数理創造プログラム (iTHEMS)

IPAMが実施しているプログラムの全体像についてはIPAMのページをご覧ください。

Projects プロジェクトテーマ

PROJECT01

富士通株式会社

Discoverability with modern AI先進的AIによる発見可能性の強化

PROJECT02

株式会社IHI

Novel framework of optical character recognition for sustainable food supply chains光学文字認識に関する新しい数理的枠組みの構築

PROJECT03

三菱電機株式会社
先端技術総合研究所

Estimating sensor viewpoints using a three-dimensional map三次元地図を使ったセンサー視点の推定

Schedule 期間中のスケジュール

研究の議論
日本と海外の学生が書道を体験している
中間発表会の様子
最終プレゼンテーション
  • Opening Day

    パートナー企業の担当者からプロジェクト内容の説明があります。説明を受け、チームごとに詳細の議論をします。

  • デザイン思考コース

    デザイン思考のコア概念と手法に触れた後、それぞれのプロジェクトの内容に沿って議論を進め、チームが向かうべき方向を見定めていきます。その過程で育まれたアイデアを実行可能なWork Statement(研究計画書)にまとめます。

  • 研究開始

    パートナー企業から研究計画の承認を得て、研究を開始します。週5日集中して共同研究に取り組みます。研究の過程で出てくる様々な疑問や困難については、パートナー企業が配置するインダストリアルメンターと、東北大学の若手研究者が担当するアカデミックメンターが相談に乗ります。

    研究の議論
  • 日本語・日本文化クラス

    期間中複数回開催され、毎回違った日本文化を学ぶことができます。今年は日本語入門の他、茶道や習字、七夕飾り作りを体験しました。

    日本と海外の学生が書道を体験している
  • 中間発表会

    メンバーが分担して英語で研究経過報告のプレゼンテーションをします。発表後はチームのメンターとメンバーとで話し合い、最終報告会に向けさらに研究の中身を練り上げます。

    中間発表会の様子
  • サイトビジット

    パートナー企業の研究所等を訪問し、設備の見学や研究についての議論を行います。

  • 最終まとめに向けた研究深化

    Project’s Day(最終報告会)に向けて研究を深めていきます。

  • 報告書作成

    研究の成果を報告書の形にまとめます。

  • Project’s Day

    メンバーが分担して英語で最終プレゼンテーションをおこない、質疑応答を通して議論を深めます。

    最終プレゼンテーション

Album アルバム

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すべての写真
議論の様子
日本語・日本文化クラス
中間発表会
サイトビジット
AIMRでのイベント
週末の様子
Project’s Day

Voice 参加メンバーの声

素晴らしい仲間との国際的・実践的な学び

とても有意義な8週間の体験でした。
普段は純粋数学を専攻する大学院生として、一人で黙々と研究に取り組む時間が大半を占めています。対照的に、私たちのチームのプロジェクトでは、数千枚に及ぶ画像データセットの手動ラベリングや、それを用いたモデルの訓練など、仲間と一緒に手を動かす作業もたくさんありました。また、フローチャートや前処理・後処理の設計についても、完成に至るまでチームメイトと多くの議論を重ね、試行錯誤を繰り返しました。
私は以前からデータサイエンスや機械学習に関心を抱いていたため、それらの知識を実践的に活用しながら、楽しみつつ取り組むことができました。実務的な課題に対し、パイプラインの設計やモデルの選定から、データセットの準備、評価・フィードバックまで、システム開発の一連のプロセスを包括的に経験したことで、理解がより深まりました。
また、平日の日中は集中してプロジェクトに取り組む一方で、退勤後や週末には参加者同士で頻繁に交流しました。ディナーやカラオケ、サイクリング、ハイキングなど、多様な活動を通じて英語を実践的に習得し、また文化の違いを体感することができました。
特に私は海外留学の経験がなかったため、当初は語学力に不安を抱えており、意思疎通に時間を要する場面もありました。しかし最終的には、研究・余暇双方の活動を通して、リスニング・スピーキングともに慣れ、当初と比べて大きく向上したと実感しています。
G-RIPSを通じて培った国際的なコミュニケーション能力、研究への姿勢、素晴らしい友人関係、そして企業活動に関する理解は、今後の人生において大きな財産となると確信しています。

国際的な環境での理論と実践

G-RIPS Sendai 2025 に参加して、これまでの研究生活では得られなかった数多くの学びを得ることができました。特に印象的であったのは、数学が産業界における課題解決にどのように貢献できるかを実際に体験できた点です。私はこれまで、数学を純粋に理論の上で構築する経験が中心であり、理論をコードとして実装する機会はほとんどありませんでした。しかし、本プログラムを通じて、実装を通じた実験を重ねながら理論を発展させていくという新しい研究手法を学ぶことができました。この経験は、将来的に学術研究と産業の橋渡しを志す学生にとって大きな財産となると思います。
さらに、異文化理解や国際的な研究のスタンダードに触れることができた点も非常に有意義でした。日本にいながらアメリカの学生と8週間にわたって共に研究し、生活を共にする機会は大変貴重です。彼らの多くはデータサイエンスの素養を持ち、純粋数学に限らず幅広い背景を持っていることに驚かされました。中には社会人経験を経て大学院に戻る学生もおり、そうした柔軟なキャリアのあり方に刺激を受けました。これこそが国際的な標準なのかもしれないと実感しました。
また、研究活動以外の場面でも、観光や会食を通じて交流を深めることができました。英語力を磨くだけでなく、異なる価値観に触れ、自分自身の考え方を見直すきっかけとなりました。学術的にも個人的にも、G-RIPS Sendai 2025 は大変有意義でかけがえのない経験となりました。

Unique opportunity for personal and professional growth

Participating in G-RIPS Sendai 2025 was an incredible experience that broadened both my academic and personal horizons. As someone who hadn’t traveled much outside the U.S., living in Japan for the summer was eye-opening. The program provided a good balance; we worked hard and had ample free time to travel and explore the country.

One of the most rewarding aspects of the program was the chance to work closely with a team. Graduate research can often feel isolating—especially in my area of pure math—so collaborating on a real-world project with students from different disciplines and countries was a refreshing and energizing change. It also brought be down to earth, making me think about how mathematical tools can be applied in the real world.

The interaction with industry mentors was particularly enlightening. I learned not just about technical applications, but also about industry expectations—how companies approach problem-solving, communicate results, and define success. Working in a cross-cultural, interdisciplinary environment helped me develop a deeper appreciation for the practical impact of math and the diverse perspectives that drive innovation.

Overall, G-RIPS was a unique opportunity to grow as a researcher, collaborator, and global citizen.